フランスの幼稚園に通いながら日本語教育

フランス在住のミミズ3歳が、現地の幼稚園に通いながら、いかに日本語を学んでいくのかをつづります。フランス語が大嫌いな日本人ママの奮闘もあり!

今日から幼稚園

いよいよ今日から幼稚園。5時半に一度目が覚め、6時半にまた目が覚めて、6時45分、目覚ましを止めました。朝ご飯の支度をしていたら、ミミズが目を覚ましました。彼女も幼稚園のことが気になっていたのかもしれません。

 

「さ、起きようか。今日から幼稚園だよ」。ずっと「幼稚園」のことを言い続けてきたので、ミミズはちゃんと理解していると思っていました。

 

朝ご飯を食べ、いつものようにお勉強。7時15分ごろから8時すぎまでしっかりやりました。これからはこんなふうに朝を過ごすといいなと思います。

 

今日は以下のことを勉強しました。

カタカナの読み(海の生き物の名前)

形を作る(二枚の三角形で形を作る)

ひらがなの短い文章(あめのなか、あそぶ、あまがえる/いちごが、いっぱい、いただきます)

迷路

(以上、ぷりんときっずより)

『アンパンマンワークあいうえお』(同じ音の言葉:花と鼻、ピアノをひくと線をひくなど)

『はじめてのせん』(○やうずまきなどを書く練習)

 

45分で十分にいろんなことができます。最近、カタカナの読みのスピードが上がったこともあり、それぞれの課題を5~10分ぐらいでこなします。

 

最近は鉛筆で書くのが好きです。『はじめてのせん』では○やうずまきをずいぶん上手に描いていました。でも、まだ線をはみだしてしまうので、これから練習用の教材を作ろうと思います。

 

今日は、三角形で形を作った際、これまですぐにできなかった「やま」と「ふね」がパッと作れました。「すなどけい」と「りぼん」はまだできません。明日も練習です。

 

『アンパンマンワーク』のあいうえおと123はもうすぐ終わります。ともに、字を書くところがまだうまくできませんので、そこを繰り返しています。これ以外にも、後半のページはこれからもいろいろと使える教材になっているため、今後も繰り返す予定ですが、近いうちに『もじ・ことば』と『かずあそび』という新しいワークを少しずつはじめようと思います。

 

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8時20分ごろ、パピーとマミーが来ました。ミミズはいそいで歯を磨き、顔を洗い、おしっこをして、リュックを背負い、靴を履きました。「ママ、これからどこに行くの?」と聞いてきたので、え……ダイジョウブかなぁと心配になりました。「これからみんなで幼稚園に行くんだよ」と言うと、「あ、そっか……早く行こう!」と車に乗り込みました。

 

幼稚園に着くと、たっくさんの車であふれていました。車を止める場所がありません。止められる場所を探していると、「ママ、幼稚園に行かないの? 早く行こうよ!」とミミズ、泣きそう。「ダイジョウブ! 車を止めたら歩いて行くよ!」となだめ、何とか車を止めました。パピーの手をギュッと握り、幼稚園へ。

 

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ミミズのクラスは年少クラス、25人。クリスティエンヌ先生(フランス語では、MaitresseまたはMaitresse Cristienneと呼ぶ)。指定された教室へ入ると、大人と子どもであふれていました。ミミズはさっそく入り口付近のテーブルに座り、パズル遊びをはじめました。ダイジョウブそうです。先生にいちおうフランス語の理解度について、トイレについてなど、心配事を伝えると、「ダイジョウブですよ」。ベテランっぽい印象の先生です。よかった。でも、パズルが終わると、ママの服をギュッとつかみ、「ねぇママ、あっちに行こうよ」と不安げ。泣くかなぁ……。すでに泣いている子もいます。でも、ほかのテーブルに行くと、これまでたまに遊ばせていた児童館Galipetteのお友だちがいて、いっしょに遊びはじめました。「ママ、もう行くね。あとで迎えにくるからね」と言うと、「ママ、早く行って!」だって。よかった、ダイジョウブそうです。

 

というわけで、ミミズは無事に巣立って行きました。少し心配そうな顔をしていましたが、きっとダイジョウブ。楽しく遊んで、「明日も行く!」と言うはずと確信していたのですが……。

 

お迎えに行くと、ミミズの泣き声が聞こえてきました。しかも、遠くから彼女の姿が見え、ピンクのスパッツを脱いでいます。おしっこをもらした? 心配が募りました。時間が来ると、まず、大泣きしていた彼女が出てきて、「ママ!」と抱きつきました。「どうしたの? ダイジョウブだった?」と聞くと、「ごはんいっぱい食べたの」。それから「先生に怒られて泣いちゃったの」。よくわかりませんでした。いろいろ聞きましたが、楽しかったことはまったく話してくれません。スパッツのことは、先生から「暑かったから脱がせました」と言われましたが、たぶん無理矢理脱がされたと思います。「トイレで先生に怒られた」と言っていたので、そう想像しました。

 

それからのミミズは、まるで貯まっていた水が勢いよく流れるように、いろんなことをしゃべりはじめましたが、幼稚園でのことはまったく話そうとしませんでした。これまでずっと日本語だったから、コミュニケーションがうまく取れないストレスがあったのかなと思いました。とにかく幼稚園とは関係ないことをずーっとしゃべり続け、「ママ、ちゃんと聞いてる?」とか「ママもいっしょに言ってみて」などと言って、パパの言葉をさえぎります。ときどき幼稚園のことを聞くと、「マカロニを食べた」とか「ハムも食べた」とか「よく寝たよ」などとしゃべってくれましたが、いったい何をしてきたのか、まったくわかりませんでした。

 

パパは先生のことを気にしていて、「おもしろい人だけど、子どもにやさしい先生かどうかは疑問」だと言います。ミミズに先生のことを聞くと「怒られた」とか「怖かった」とかそんなことばかり。これまで好き勝手に生きてきたから、いろんなルールのことで注意を受けたのかなと想像しますが、実際はどうだか……。ちなみに、パパは幼稚園の先生にひどい扱いを受け、それがトラウマになっています。

 

家に戻ると絵本を読んだりテレビを見ました。そして、夜ご飯を食べ、お風呂に入ってしばらくすると、「幼稚園でお友だちとブーブーに乗って遊んだの」とか「自転車もやったのよ」など、少し話してくれました。いろいろあったようだけど、楽しいひとときもあったにちがいありません。「明日も幼稚園に行こうね」と言うと、笑顔で「うん!」と言っていました。とりあえずダイジョウブかなぁと思いました。

 

と、まあ、こんな感じでミミズの社会生活がはじまりました。3ヶ月もしたらすっかりフランス人になるでしょう。そうなったら、いままでのカリキュラムを少し変更していかないといけないかもしれません。どこまでがんばれるか。とにかくいまのところはこのまま続行していこうと思います。